経営者と現場の管理者・技術者との間に認識ギャップがあり、コンサルタントとして戸惑うことがあります。経営者は自社のプロジェクトに問題があると感じ、当方に相談に乗って欲しいと声をかけてくるのですが、お客様を訪問し、現場の管理者・技術者と面談すると、いろいろ話している内に迷惑そうな顔をするのです。少々問題をかかえているが、ほどほどに進行していると思われるプロジェクトのリーダに対して、具体的な問題点を指摘すると、「それは、自分達も分っている。今、対策を打っているので、近々解決する見込みだ」などと言って断られることがあります。
メインフレーム(汎用機)全盛期のころ、顧客はコンピュータの知識を殆どもっていませんでした。メーカの技術者はどんな知識でも売りものになりました。知識を持てる立場にあったメーカの技術者は顧客から重宝がられたものです。自分は専門家で、相手は素人。この間には優越感が漂います。中には、相手が上司であっても、小ばかにしたような態度をとる技術者を見かけることもありました。