仕事は変わる、速度は上がる

昨年下書きを書いて、投稿するのを忘れていたが、今でも通用するので改めて投稿します。

社会保険労務士と話していて、ちょっとした驚きを感じたので紹介します。

彼は、ある司法書士と同じ部屋で仕事をしているらしい。最近、この司法書士の仕事がかなり減ったという。一段と減ったのは銀行の統合が行われた時期である。統合によって銀行内の合理化が進みそれまで各銀行にぶら下がっていた司法書士の仕事がなくなってしまった。銀行と繋がっていたときは営業努力せずとも仕事は着実に入っていたがそれが途絶えてしまったのです。その後税理士とのつながりで、細かい仕事を得ているが、収入が少ない仕事ばかりだ。さらに追い打ちをかけたのは電子申請である。電子申請は司法書士の仕事を減らしている。

一方、税理士も色々な問題を抱えています。

(1)他業種から税理士業務への参入
会計士は格好は良いが、顧客は中堅以上の企業で小規模の会計事務所では満足な収入が得られないため、税理士業務を行っている。

(2)税務署に長年勤めていた職員は、自動的に税理士資格を得られ、退職して税理士となる人が増え、顧客を奪い合っている。

(3)中小企業の経営者が老齢化し、そのために廃業する企業が増え、税理士の仕事が減っている。

(4)そして、先に上げた、電子申請の影響である。

「人工知能は人間を超えるか」(松尾豊著)の終章に紹介されているオックスフォード大学の論文「あと10~20年でなくなる職業と残る職業のリスト」によると、銀行の窓口担当者、不動産登記代行、保険代理店、証券会社の一般事務、税医務申告書代行者など、金融・財務税務系の仕事がなくなる仕事に仕分けされている。これらは仕事のIT化が進んだ結果です。

先の、司法書士や税理士の仕事が減ったのは元を正せばIT化が進んだ結果と見てい良いでしょう。IT化が進んで、知能労働が人工知能でこなせるようになると、ますます従来型の職業は、需要を減らすことになります。

IT化の進展は、デフレの原因の1つだと考えている経済学者もいます。

日本のデフレの原因:
・中国などの新興国が市場経済に参加
・中間層が減ったことによる消費減
・人口減少による需要減
・IT化の進展

最近、プログラミング学習に励む人が増えているようです。私は当ブログの「ソフトウェアは知の媒体」にて学校教育でのプログラミング教育の必要性を書いたが、世の中は変わって、現在そんなことを主張する必要性はない。ITに関連しない職業の人でさえ、プログラミング能力を身につけておかないとこれからは生きて行くのが難しいと感じているようです。
プログラミング学習は、これから生き延びる手段になる可能性はあるでしょう。

ITやその先の人工知能によって職業がどのように変化して行くかはある程度予見できます。その予見を、多くの人たち(特に、これから社会に出ようとする若い人)に知ってもらうことは大変重要だと思う。

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