仕事は変わる、速度は上がる

昨年下書きを書いて、投稿するのを忘れていたが、今でも通用するので改めて投稿します。

社会保険労務士と話していて、ちょっとした驚きを感じたので紹介します。

彼は、ある司法書士と同じ部屋で仕事をしているらしい。最近、この司法書士の仕事がかなり減ったという。一段と減ったのは銀行の統合が行われた時期である。統合によって銀行内の合理化が進みそれまで各銀行にぶら下がっていた司法書士の仕事がなくなってしまった。銀行と繋がっていたときは営業努力せずとも仕事は着実に入っていたがそれが途絶えてしまったのです。その後税理士とのつながりで、細かい仕事を得ているが、収入が少ない仕事ばかりだ。さらに追い打ちをかけたのは電子申請である。電子申請は司法書士の仕事を減らしている。

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意識の集中

セザンヌはテーブルからリンゴが落ちそうで落ちない不思議な静物画を描いています。この絵をセザンヌは自分の感じたままに描いたのだろうと思います。

人はある対象を見るとき、その本質に迫ろうとして、いろいろな方向から見ています。対象は変わらないのですが、時間や位置、そのときの気の持ちようによって見え方が異なってきます。セザンヌはそういう見る側の心象を描いているのではないでしょうか。

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変わらないもの、変わるもの

プロジェクト管理がテーマですが、古来から使われている不易流行、諸行無常という見方がプロジェクト管理においても必要であることを話題にします。

角川の最新国語辞典で不易流行という用語を引くと、「不易流行という言葉は芭蕉が唱えた徘徊の基本理念で、永久に変動しないものと、つねに新しくなって行くもの。つねに新風を求めて変化流行するところから永遠性をもつものが生まれるということ。」と書かれています。また、不易流行の『流行』に似た言葉として諸行無常があります。これについて同じ辞書に「この世のものはすべて移りかわって、わずかのあいだもとどまっていない、という仏教の根本思想。」と書かれています。

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管理職の技術維持

技術者が管理職に就くと次第に最新の技術から遠ざかってしまうのが世の常です。管理職は予算管理、上級職や対外的な折衝、部下の育成、部署の方針、等々、技術者とは別の幅広い領域の仕事をこなさなくてはなりません。こうした日々の仕事に専念している間に、技術は進歩し、追従できなくなって行きます。ある程度はやむを得ないとしても、技術への拘りは持ち続けていなければ、管理そのものも怪しくなってきます。過去に身に着けた技術の賞味期限は高々5年です。技術は進歩して管理者が理解できない世界が広がって行きます。理解できない技術をベースにしたプロジェクトの管理は困難になります。こうした事態に気づいて管理者は本を読んだり、講演会を聴きに行ったり、部下の話を聞いたりして何とか最新技術に乗り遅れまいと努力はします。しかし、実地体験する機会が殆どないというのが現状でしょう。実地体験がなければ技術の勘所を押さえるのは難しくなります。

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日本のサービス産業の生産性向上とIT

日本の産業の70%はサービス産業です。製造業は10%台。
日本のサービス産業の生産性は米国を100とすると50~60で、大変低いレベルです。
これは、低賃金で働いている労働者が多く、会社の利益が殆どでないか赤字の企業が多いことを意味しています。大規模のサービス企業、専門性が高いサービス業(医者、弁護士など)はそこそこ所得も多く、当然利益を出していますが、かなり多くのサービス企業は赤字と薄利を行ったり来たりしてしのいでいます。このような企業に労働人口の70%が就労しているわけです。

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