Archives for : プロジェクト管理

ソーシャルメディア時代のソフトウェア開発

インターネットが普及して、社会が大きく変化したのと時を同じくしてソフトウェア開発をとりまく環境も変貌を遂げました。

長年続いてきたソフトウェア開発は同じ場所か近隣で行なうという地理的制約を弱め、日本国内の各地域に、あるいは海外に開発拠点を分散し、コスト低減や有能な人材の確保を可能としてきました。首都圏の企業のシステム開発を新潟や山形で行なう、あるいは日本や欧米企業のシステムのソフトウェア開発をインドで行なうといったことはインターネットの成果と言えます。

Continue Reading >>

がらりと変化した情報システム

インターネットは1990年代前半から普及してきましたが、当初メールやWWWが主流だったサービスが進化し、2010年頃にはインターネットを利用した技術としてSNS、スマートフォン/タブレット、ビッグデータ、クラウドが普及してきました。これらは相互に関連しており、全体をSMAC(Social, Mobile, Analytics, and Cloud)と呼ぶこともあります。SMACは現在進行形で進化しています。SMACの内、今後社会的に大きな影響を与えるのはAnalytics即ちビッグデータです。従来捉えるのが難しかった社会活動/現象や自然活動/現象をデータとして把握し、判断やアクションにつなげることが期待できるからです。社会や自然界のどこで何が起きているのかを把握して、前稿:ソフトウェアは知の媒体に示した「図1 社会・自然と知の関係サイクル」が具体化できるようになりました。

Continue Reading >>

クリエイティブな社会

前項:日本のソフトウェア産業のゆくえでソフトウェアが、

(a)生産性の向上
(b)付加価値の創造

に役立つ力があることを指摘しました。本稿の議論を進めるために、ここに挙げた生産性、付加価値について解説しておきます。

Continue Reading >>

知識の構造

知識とは不思議なもので、同じ知識をいくら足しても変化しない。異なる知識の和は元の知識とは異なる知識になる。
また、知識はそのままでは何の働きもしない。宿主がなければ身動きが取れない。知識は宿主である人やソフトウェアの挙動を規定する。宿主はある知識を元に新しい知識を生成する。
本稿ではこのような性質をもつ知識の集まり、つまり知識集合を定義し、知識の性質について考える。集合論では、集合の要素は点の集まりであるが、知識集合の要素の点には知識が対応する。更に、知識集合に距離を導入することについて考える。

Continue Reading >>

ITシステム構築環境の進化

ITシステム構築の環境はITとネットワーク技術の発展と共に大きく進化しています。汎用機の時代はIBM、NEC、富士通、日立などのメーカが各社独自のハードウェア、OS、アプリケーション、開発方法論などを利用者に提供していました。その後、ハードウェア、OS、DB、ネットワークなどの標準化(国際標準、業界標準)が進み、標準OSと標準MPUを搭載したコンパクトなサーバとPCをクライアントとするいわゆる「クラサバ」が普及しました。更にインターネットの普及に伴なって世界中のサーバやPC、携帯電話などがつながるようになりました。サーバとクライアントも同時並行的に進化し、クラウドコンピューティング(以降クラウドと略)の名の下に、サーバは世界に分散設置するデータセンターに集約され、アプリケーション・プログラムはデータセンターで実行し、クライアントはPCだけでなく、スマートフォンやタブレットなども利用できるようになりました。

Continue Reading >>