Archives for : プロジェクト管理

計測

プロジェクト管理の基本は計測です。プロジェクトが現在どのような状況になっているかは計測することなしに把握できません。プロジェクトでは、人が作業を行い、ドキュメントやプログラムを生産します。プロジェクトは期限内に作業を完了させる必要があります。そのため、適切な手順で作業を進める必要があります。例えば、上流工程から下流工程に向けて、要求仕様設計(外部仕様設計)→構成(構造)仕様設計→詳細仕様設計→コード化→テスト→評価の順に作業して行きます。各工程の作業に誰を割り当てるかは大変重要なことです。そのためには、生産物の種類、規模や難易度を見積もる必要があります。見積りについては別稿で説明しますが、見積りと計測は密接に関連しています。計測という行為なしに見積りはできません。新しいプロジェクトの見積りには過去のプロジェクトで得られた計測データや試験的に行って計測したデータを参考にするのです。

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開発ツールと作業標準

開発するシステムの種類と開発方法論」で書きましたが、1970年代までは、ソフトウェア開発ツールといえば、コンピュータ言語がすべてでした。コンピュータ開発の黎明期には機械語を記号化しただけのアセンブラ言語は生産性を大幅に向上させました。その後開発されたCOBOL言語やFORTRAN言語は画期的な大発明でした。これらの言語は自然言語(英語)に似せた構文を持ち、記憶し易く、アルゴリズム表現を格段に容易としました。

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開発方法論は星の数ほどある

一言でソフトウェアシステムと言っても、顧客の販売管理システム、生産管理システム、事務処理系パッケージソフト、技術系パッケージソフト、携帯電話などの組込みソフト、コンピュータのオペレーティングシステム、コンパイラ、RealTimeシステム、Webコンテンツサービスソフト、バンキングシステム、・・・ など多岐多様です。これらのシステム毎に、必要とする技術・技能・知識、体制・組織、人数、管理方法、などは異なります。その規模や複雑度、必要とする背景知識、業種/業務ノウハウなども異なります。このように、余りにも異なるソフトウェアシステムの開発を、1つや2つの開発方法論で片付ける訳には行かないだろうということは、専門家でない人達にも想像がつくことだと思います。

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開発するシステムの種類と開発方法論

1970年代から1980年代にかけてソフトウェア危機(Software Crisis)という言葉が盛んに使われていました。ソフトウェア開発需要が爆発的に増え、ソフトウェア開発の生産性が追いつかず、このままの勢いで需要が増えればいずれ必要なソフトウェア技術者の数が世界の人口をオーバーしてしまうというのです。うそのような本当の話です。

その頃のソフトウェア開発ツールといえば、COBOLとFORTRANがすべてであったと言っても言い過ぎではありません。OS(Operating System)はすべてアセンブラ言語で書かれていた時代です。COBOLやFORTRAN言語は基本機能しか揃っていませんでしたから、システム開発には部品から構築する必要がありました。OSも今からは想像もできないほどプリミティブなものでした。それでも、多重プログラミングやマルチタスキングがあり、コンピュータをフル稼働させることができました。もちろん仮想記憶もありました。

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構造的不況に陥った中小ソフトハウス

最近の中小ソフトハウスの調子が悪いようです。どこに聞いても良い話しが伝わってきません。1年半くらい前は違っていたのですが。景気が上向いているようだという印象をもっていたのです。それがどうしたことか、昨年の暮れには来年はどうなるのか不安だという話を小耳に挟むようになったのです。商談がめっきり減ったのです。

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