オブジェクト指向の扱い

「ビットから始めるプログラミング」では、オブジェクト指向の導入を避けました。理由はいくつかあります。その1つは、初めてプログラミングを学ぼうとする人にとってオブジェクト指向という抽象的な考え方は、不必要にプログラミング学習の敷居を高めてしまうからです。また、オブジェクト指向は、本書のレベルの学習を済ませてからの方が理解し易いからです。

しかしながら、オブジェクト指向は重要な技術です。本書の学習後には是非オブジェクト指向について学習されることを勧めます。

オブジェクト指向の効果を期待する領域は次です。

(1)大規模システムの開発

大規模システムでは、複雑に関連し合うモジュールを使用することが多いですが、モジュールとしてオブジェクト指向を採用していると、保守が容易になります。

(2)ソフトウェア部品の利用

AIやIoTなどでは、インターネットでAI部品やIoT部品を公開し、多くのアプリケーション開発者がこれらの部品を活用すると便利なことがあります。
AIやIoTではありませんが、Google社は地図部品を提供しています。これらはオブジェクト指向で作成されています。これらのソフトウェア部品を利用するためにはオブジェクト指向について基礎知識をもっている必要があります。