プログラムが小さければ1人で作成することができますが、少し大きなプログラムになると、1人では無理となります。だいたいどのくらいのプログラムまでなら1人でできるのでしょうか。能力や慣れなどにもよりますが、かなり優秀な人で1年間で10キロステップくらいまでなら可能かもしれません。プログラムがややこしいものなら、それより少なくなるでしょう。
1人で作成できるプログラムの大きさはおよそそんなものですから、多くの場合、複数のメンバからなるチームでプログラムを作成するのが一般的です。
チームでプログラミングするメリットは、プログラムの大きさへの対応だけでなく、いろいろなタイプのメンバが知識を持ち寄ることによって、生産性を高める効果があります。「ITプロジェクトにおける異能の価値」を参照。
本稿では、私の経験を踏まえて、次のようなプログラミング学習コースを提案します。
このプログラムの作成を通して受講者はプログラミング技術について学ぶだけでなく、チームワークの重要性を認識することができます。
1.対象者
プログラミング未経験者。
2.チームのメンバ数
2~3人
3.学習期間
2~3ヵ月
4.テーマとプログラムの大きさ
テーマは学習指導者が任意に決める。大きさは500ステップ~多くても1キロステップくらい。
5.プログラミング・キットの準備
4.のテーマについて、指導者が受講者のためにキットとして
作り込んでおく。キットの内容は:
機能仕様書 および ソフトウェア部品
受講者に無理な個所はソフトウェア部品にしておく。
受講者は構造設計以降の作業を行う。
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6.事前学習(講義+自習)
・プログラミング言語
・動作環境(OSなど)
・設計方法(モジュールの分け方など)
・テスト方法
7.プログラミング実習
・互選でチームリーダを決め、分担して作業を進める。
・プログラミング・キットを用いて、構造設計、詳細設計、コード化、テストを行ない、プログラムを完成させる。
8.成果発表会の実施
設計の工夫点、プログラムの性能、分かり易さ、などを指導者と一緒に話し合う。