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 Web技術はコミュニケーションのための大変優れた手段です。

 FNS (Flexible Network Service) はWeb技術を駆使して、職場やコミュニティなどのクローズドユーザグループ(CUG:Closed User Group)を構築するためのミドルウェアソフトです。

 FNSは次のような目的でご利用頂けます。

(1) 職場のコミュニケーション

 1つのFNSサーバ内に、部門やプロジェクト専用のCUGをいくつでも作成できます。

 1人のメンバが異なるCUGに所属でき、利用するCUGを自由に切替えることができます。つまり、1人のメンバが部門、プロジェクト、ワーキンググループなどのCUGを利用できます。

 各CUGではファイル共有、掲示板、HTMLフォームを利用した業務報告、交通費請求の送受信など、様々な情報交換ができます。

 業務報告交通費請求などの機能はFNS組み込みの機能ではなく、HTMLとJavascriptを使ってHTMLフォームを作成し、FNSアプリケーションとして登録したものです。お客様は必要に応じ、各種帳票を登録することができます。※業務報告のFNSアプリケーションはサンプルとして用意しています(ダウンロード参照)。

 上記の業務は、FNSをインターネットに接続していない社内のネット(イントラネット)で行うことができますが、社外との情報交換を行うにはFNSサーバをインターネットに接続する必要があります。

 FNSをインターネットに接続していれば、出先派遣先など、社外からも上記の業務を行うことができます。

 

(2) 取引先との連絡・連携

 営業担当がインターネットを介して複数の取引先から発注伝票を受け取り、MS-EXCELで加工し、請求書(紙)を発行する業務を例に示します。

 このケースでは、FNSは発注伝票の収集のために使用し、データ処理はパソコン上で行います。

 業務構築は次の手順で行います。

a)  FNSシステムの作成者はFNSシステム上に営業担当(グループ管理者)と取引先(利用者)からなる発注伝票収集用のCUGを登録します。
   
b)  営業担当は業務に必要な発注伝票をHTMLフォームとしてデザインし、FNSの管理者機能を使って当該CUGに登録します。
 これだけの操作で、CUGの各取引先は発注伝票が利用可能となります。各取引先が発注伝票にデータを入力し送信すると営業担当に届けられます。
   
c)  営業担当は受信した発注伝票データを、FNS受信ツールを使用してパソコン上に読出します。FNS受信ツールは1つのHTMLフォームに対して1つのCSVファイルを作成します。FNS受信ツールでは複数の伝票を扱うことができます。また、ある伝票に対して新たに受信したデータは既存のCSVファイルに追加されます。
 FNS受信ツールについてはダウンロード→FNS受信ツールを参照。

 上記は、取引先との連絡・連携の1例ですが、相手企業との関係によっては、「(1) 職場のコミュニケーション」と同様の利用も行えます。

 

(3) いろいろな“Webサービス”のコア機能として利用

 ビジネス戦略の推進上、

営業支援
業務効率化
プロジェクト管理
その他

などを行うためには、今や情報技術の活用は避けて通れません。

 ビジネスでは顧客サービス、サプライヤーとの取引などの企業間連携や企業内の部門間連携など、Webコミュニケーションが戦略的ツールとなってきました。また、従来は独立に運用していた複数の業務アプリケーションをWeb技術で連携するいわゆる“Webサービス”が重要性を増しています。

 Webサービスでは、利用者管理(利用者登録・削除、利用者認証、利用権管理)、セッション管理、資源管理など、Webサービスのコアとなるサービスが必要となります。FNSはWebサービスのコア機能体系化して提供しています。

 ビジネスに対するFNSの応用例として、在庫管理および管理会計業務を示します。

 (ア) 在庫管理

 在庫管理は一般的に次図に示す流れで行われます。

 この在庫管理の情報システムをFNSで実現すると次図のようになります。

 上図では、販売店業務、生産管理業務、購買業務、発注業務のコミュニケーション手段としてFNSを利用し、各業務にCUGを割当てています。さらに各業務では業務アプリケーション(販売管理、需要予測、生産管理、シミュレーション)をリンクし、各CUG内の人々に対してだけそれらの機能を開放しています。

 FNSは業務グループに業務アプリケーションを連携させるために拡張機能と呼ぶ機能を用意しています。業務グループの管理者が業務アプリケーションへリンクするホームページを登録するだけで、グループ内の利用者はその業務アプリケーションが利用可能となります。

 (イ) 管理会計業務

 管理会計業務では、経営トップ、現場マネージャー、担当者など、いろいろな役割の人々が登場します。

経営トップ  現場マネージャーが扱う全プロジェクトの業績評価、問題プロジェクトの把握、経営視点からの改善点の認識と指示等を行う。
   
現場マネージャー  プロジェクト毎に受注・売上・材料費・人件費・諸経費・粗利益・棚卸在庫等の情報を得て、問題点の分析、改善実行、利益管理等を行う。
   
担当者  担当プロジェクトに対する作業報告等を行う。

 経営トップと現場マネージャー、担当者は管理会計業務にそれぞれ別の立場で関わりを持っています。さらに、経営トップとは言っても、必ずしも1人ではありません。複数の経営トップが関わりを持つのが通常です。現場マネージャーも同様に、補佐する人を含めて複数人で現場マネージャー業務を遂行しています。担当者はプロジェクト毎にチームを組んで業務をこなしています。

 FNSはこのような組織運営に素直に適合できる仕組みを持っています。管理会計業務の担当者チーム、現場マネージャー業務チーム、経営トップチームの各チームに対し、FNSのグループを対応づけます。各チームに対して管理会計業務のデータベースを操作する個別の拡張機能を作成しておき、対応するグループのホームページにリンクを張り、グループに登録します。

 各メンバがグループ名、利用者ID、パスワードを入力してFNSの各グループにログインすると、各グループ固有のWebページが開き、管理会計業務のそれぞれの役割に応じた作業を行うことができます。