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第3章 アプリケーションの開発方法

 第1章ではFNSシステムのコンセプトを、第2章では FNSシステムの操作概要を述べました。第 2章で述べた管理者、運用者(A端利用者)、あるいは利用者(B端利用者)のページはFNSシステムが用意した既定のページです。グループの管理者は図2.2−13に示した画面管理を用いてこれらのページを変更することができます。これは大変重要な機能です。グループ専用のホームページとして利用できるからです。本章では最初にWebページのデザイン方法について紹介します。

 次に、 FNSシステムのもう1つの重要な機能である電子フォームのデザイン方法について紹介します。業務アプリケーションに合わせた様々な電子フォームをデザインすることができます。

  Webページや電子フォームを用いるだけで業務アプリケーションが構築できます。例えば、お客様への情報サービスはWebページで提供し、お客様からのご注文は電子フォームで受けるという業務はこれで十分行うことができます。しかし、販売管理システムなどの業務アプリケーションとFNSシステムを連携させることによりネットを使った強力な業務システムが構築できます。本章では業務アプリケーションとFNSシステムの連携方法(FNS拡張機能)について紹介します。

 各グループでは対話型の掲示板が使用できます。掲示板を利用すればグループの利用者間で、テーマを決めていろいろな議論を展開することができます。

 掲示板は、グループの利用者が対話をするツールですが、グループの利用者が資料を共有するツールとして情報プール型掲示板が用意されています。

 さらに、グループの各利用者が登録した情報をグループのすべての利用者が参照できる受付箱と呼ぶ機能、グループの管理者がグループの各利用者個別に情報を提供する提示箱と呼ぶ機能、さらに、利用者固有のWebページとなるマイ・ページと呼ぶ機能について紹介します。

 本章の最後では、URLの相対指定について紹介します。一旦FNSシステムを導入した後に何らかの理由でFNSシステムのドメインdomainwwwサーバ、配置ゾーンzoneを変更することが考えられます。そのような事態が生じたとき、登録したWebページや電子フォームなどに現れる絶対URLを変更するコストは大変大きくなります。これを軽減するために、相対URLを使用することを薦めますが、本章ではFNSシステムでの相対URLの使い方を説明します。 


3.1 Webページのデザイン

 WebページのデザインのためにMS-WordMS-Excelなどを用いる簡易なやり方と、Microsoft社のFrontPageなどの専用エディタを用いるやり方があります。

 いずれの場合も、Webページは1つのフォルダー(便宜上「HPフォルダー」と呼びます)に集めておく必要があります。

 

(1)MS-WordMS-Excelを用いる方法

 MS-WordMS-Excelでは、文書データをWebページ(HTMLドキュメント)として出力できます。WordあるいはExcelのメニューバーにある「ファイル」を押下して表示されるプルダウンメニューで「名前をつけて保存」を選択するとダイアログボックス「名前をつけて保存」が開かれます。このダイアログボックスの「保存先」を「HPフォルダー」とし、「ファイルの種類」には「Webページ」を選択します。その結果、「HPフォルダー」にはこの文書のhtmlファイルと関連データファイルが保存されます。

 MS-Wordの各文書ファイルは1つのWebページとして出力されます。Webページの中から他のWebページへリンクしたいとき、例えばリンクしたいWebページのタイトル名を前のWebページの中に出現させ、そのタイトルにリンクを張ります。

       文書タイトル:XXXXX        文書タイトル:YYYYY

 リンクを張るために、文書XXXXX内に書いたタイトル文字列YYYYYにカーソルを置いてドラッグして反転させた状態で、ツールバーの「挿入」コマンドメニューを選びハイパーリンクの対話画面を開いて、文書ファイルYYYYYを選択し文字列に貼り付けます。

 この場合、ホームページの「フォルダーHP」にこれら2つのhtmlファイルを納めます。これらの文書が図形やイメージデータを含んでいる場合にはそれらの関連データも「HPフォルダー」に収められます。

 最後に、この「HPフォルダー」の内容を「2.2 (2) 画面管理」の説明に従ってグループのWebページとして登録すれば、グループの各利用者がこのホームページを参照できるようになります。

 MS-Wordを利用した場合、Webページの中に本章「3.2 (2) HTMLフォームのデザイン」で述べるHTMLフォームを埋め込むことができます。そのための単純なやり方はメニューバー上の「表示」のプルダウンメニューで「ツールバー」→「Webツール」を選択すると表示されるHTMLエディタで直接HTMLタグを埋め込む方法です。詳細は「3.2 (2) HTMLフォームのデザイン 1) 新規書込用ファイル」を参照してください。

 

(2)HTMLエディタを用いる方法

 HTMLエディタとして、例えばMicrosoft社のFrontPageがあります。

 この場合もホームページは1つのフォルダー(HPフォルダー)に保存されます。

 詳細はFrontPageHTMLエディタの説明書をお読み頂く必要があります。

 上記のMS-Wordの場合と同様に、Webページの中にHTMLエディタを使用して「HTMLフォーム」を埋め込むことができますが、詳細は「3.2 (2) HTMLフォームのデザイン 1) 新規書込用ファイル」を参照してください。

(3)FNSシステム機能へのリンク

 上記のやり方でデザインした管理者や運用者(A端利用者)、あるいは利用者(B端利用者)のWebページはグループのページとして登録できます。詳細は第2章の「2.2 管理者」の説明を参照してください。

 これらの各WebページはFNSシステムの既定のページを置き換えることになりますので、既定のページにあった機能を継承したい場合には新しいページにもそれらの機能を使えるようにしておく必要があります。例えば管理者ページや利用者ページ等はFNSシステム既定のマイ・メニューボタンを持っています。これは次のHTMLタグ

   <a href="https://www.domain/zone/servlet/MfMyMenu?ope=opewin">
        <img src="https://www.domain/zone/servlet/MfCmPage/mymenu_m.gif">
 </a>

で呼び出すことにより表示しています。

 この例では、domain(実際にはitnetinc.co.jpなどのドメイン)内にあるサーバwwwに接続し、ゾーンzoneにあるサーブレットMfMyMenuおよびMfCmPageを呼び出しています。domainやサーバwww、ゾーンzoneの名前はFNSシステムのインストール先のものを使用する必要があります。なお、“?”以降はサーブレットのパラメータです。

 管理者ページには上記以外にも各種機能がありますが、同様の方法で利用できます。

 次表は管理者ページ、運用者ページ、利用者ページ、A端利用者ページ、B端利用者ページ、共用ページ、マイ・ページに追加できる機能と使用法を示しています。マイ・ページについては「3.8 マイ・ページ管理」を参照してください。

ページの種類

機 能

使用法

管理者ページ

Webページに現在入場中のグループ名を挿入します。 <iframe height="22" width="200" scrolling="no"?
frameborder=0 marginheight="0" align="TOP"
src="https://www.domain/zone/servlet/MfMyMenu?
ope=curgroup&bgcolor=%23F2F2F2">
</iframe>
移動先グループを選択し、移動するドロップダウンメニューボタン。

注1)参照

<iframe height="30" width="350" scrolling="no" 
frameborder=0 marginheight="0"
src="https://www.domain/zone/servlet/MfMyMenu?
ope=grp_selector&button=show&bgcolor=%23F2F2F2
&target=_parent">
</iframe>

現在の参照モードを表示します。

https://www.domain/zone/servlet/MfMtMode?ope=curmode

マイ・メニューボタン。

https://www.domain/zone/servlet/MfMyMenu?
ope=opewin
https:
//www.domain/zone/servlet/MfCmPage/mymenu_m.gif
注2)参照

マイ・ページ管理ページを表示します。 https://www.domain/zone/servlet/MfMtMyPage
利用者自身のマイ・メニューページを表示します。 https://www.domain/zone/servlet/MfMyMenu?
ope=opewin
FNSシステム既定のマイ・メニューページを表示します。 https://www.domain/zone/servlet/MfMyMenu?
ope=opewin&disp=sys
Webページに現在ログイン中の利用者名を挿入します。 <iframe height="22" width="250" scrolling="no" 
frameborder=0 marginheight="0" align="TOP"
src="https://www.domain/zone/servlet/MfMyMenu?
ope=myname&bgcolor=%23F2F2F2">
</iframe>

利用者管理ページを表示します。

https://www.domain/zone/servlet/MfMtUsr?
ope=ope_menu

画面管理ページを表示します。

https://www.domain/zone/servlet/MfMtPage?
ope=select_side

電子フォーム管理ページを表示します。

https://www.domain/zone/servlet/MfMtForm?
ope=ope_menu

新規書込用電子フォームを呼び出します。 https://www.domain/zone/servlet/MfFormPool?
formid=<フォームID>&use=RW

掲示板管理ページを表示します。

https://www.domain/zone/servlet/MfUtDscbd?
ope=mng_menu

情報プール型掲示板管理ページを表示します。 https://www.domain/zone/servlet/MfUtPoolbd?
ope=mng_menu
受付箱管理ページを表示します。 https://www.domain/zone/servlet/MfUtRcptBox?ope=mng_menu
提示箱管理ページを表示します。 https://www.domain/zone/servlet/MfUtPrsnBox?ope=mng_menu
提示箱へ情報を提示します。 3.7 (2) 提示箱への情報提示」を参照。
グループ拡張機能登録簿管理の呼出し。 https://www.domain/zone/servlet/MfMtExp?ope=ope_menu

グループ拡張機能の呼出し。

https://www.domain/zone/servlet/MfExpTunnel
https://www.domain/zone/servlet/MfExpTunnel2
注) 詳細は「3.3 FNS拡張機能(FNS Extension」を参照。

システム拡張機能の呼出し。

https://www.domain/zone/servlet/MfSysExp
https://www.domain/zone/servlet/MfSysExp2
注)詳細は「3.3 FNS拡張機能(FNS Extension」を参照。

FNSシステムのバージョンを表示します。

https://www.domain/zone/servlet/MfVersion
 パラメータなし

共用画面内のページを参照します。 https://www.domain/zone/servlet/MfUcPage/<ファイルパス>

運用者ページ

利用者ページ

A端利用者ページ

B端利用者ページ

共用ページ

マイ・ページ

Webページに現在入場中のグループ名を挿入します。

 

<iframe height="22" width="200" scrolling="no"?
frameborder=0 marginheight="0" align="TOP"
src="https://www.domain/zone/servlet/MfMyMenu?
ope=curgroup&bgcolor=%23F2F2F2">
</iframe>
移動先グループを選択し、移動するドロップダウンメニューボタン。

注1)参照

<iframe height="30" width="350" scrolling="no" 
frameborder=0 marginheight="0"
src="https://www.domain/zone/servlet/MfMyMenu?
ope=grp_selector&button=show&bgcolor=%23F2F2F2
&target=_parent">
</iframe>

マイ・メニューボタン。

https://www.domain/zone/servlet/MfMyMenu?
ope=opewin
https://www.domain/zone/servlet/MfCmPage/mymenu_m.gif
注2)参照

マイ・ページ管理ページを表示します。 https://www.domain/zone/servlet/MfMtMyPage
利用者自身のマイ・メニューページを表示します。 https://www.domain/zone/servlet/MfMyMenu?
ope=opewin
へのリンク
FNSシステム既定のマイ・メニューページを表示します。 https://www.domain/zone/servlet/MfMyMenu?
ope=opewin&disp=sys
へのリンク
Webページに現在ログイン中の利用者名を挿入します。 <iframe height="22" width="250" scrolling="no" 
frameborder=0 marginheight="0" align="TOP"
src="https://www.domain/zone/servlet/MfMyMenu?
ope=myname&bgcolor=%23F2F2F2">
</iframe>

新規入力フォームページを表示します。

https://www.domain/zone/servlet/MfFormPool?
ope=list

新規書込用電子フォームを呼び出します。 https://www.domain/zone/servlet/MfFormPool?
formid=<フォームID>&use=RW

受信閲覧ページを表示します。

https://www.domain/zone/servlet/ MfActQue?
ope=opewin

送信履歴閲覧ページを表示します。

https://www.domain/zone/servlet/ MfActJnl?
ope=opewin

掲示板(関連構造)ページを表示します。

https://www.domain/zone/servlet/MfUtDscbd?
dscbdid=bordId&tlop=top

     あるいは
 
https://www.domain/zone/servlet/MfUtDscbd?
dscbdid=bordId&tlop=last  

注) bordIdは掲示板ID。詳細は「3.4 掲示板管理」を参照。

掲示板(到着順)ページを表示します。

https://www.domain/zone/servlet/MfUtDscbd?
dscbdid=bordId&lsop=top
 
    あるいは
https://www.domain/zone/servlet/MfUtDscbd?
dscbdid=bordId&lsop=last

注) bordIdは掲示板ID。詳細は「3.4 掲示板管理」を参照。

情報プール型掲示板(関連構造)ページを表示します。 https://www.domain/zone/servlet/MfUtPoolbd?poolbdid=bordId&tlop=top
    あるいは
https://www.domain/zone/servlet/MfUtPoolbd?poolbdid=bordId&tlop=last
注) bordIdは掲示板ID。詳細は「3.5 情報プール型掲示板管理」を参照。
情報プール型掲示板(到着順)ページを表示します。 https://www.domain/zone/servlet/MfUtPoolbd?poolbdid=bordId&lsop=top
    あるいは
https://www.domain/zone/servlet/MfUtPoolbd?poolbdid=bordId&lsop=last
注) bordIdは掲示板ID。詳細は「3.5 情報プール型掲示板管理」を参照。
“受付箱”内のファイルの参照。 3.6 “受付箱”内のファイルの参照」を参照。
提示箱へ情報を提示します。 3.7 (2) 提示箱への情報提示」を参照。
提示箱の情報を参照します。 3.7 (3) 提示箱の情報参照」を参照。
グループ拡張機能の呼出し。

https://www.domain/zone/servlet/MfExpTunnel
        あるいは
https//
www.domain/zone/servlet/MfExpTunnel2
注)詳細は「3.3 FNS拡張機能(FNS Extension」を参照。

システム拡張機能の呼出し。

https://www.domain/zone/servlet/MfSysExpあるいは  
https://
www.domain/zone/servlet/MfSysExp2
注)詳細は「3.3 FNS拡張機能(FNS Extension」を参照。

FNSシステムのバージョンを表示します。 https://www.domain/zone/servlet/MfVersion
  パラメータなし
共用画面内のページを参照します。 https://www.domain/zone/servlet/MfUcPage/<ファイルパス>

 

注1) 「移動先グループを選択し、移動するドロップダウンメニューボタン」で移動し、表示できる画面の種類は次表の通りです。このドロップダウンメニューボタンを使用して「共用画面」には移動できないことに注意してください。

グループ種別 画面の種類
利用者 A端利用者 B端利用者 運用者 管理者
1対多 利用者画面 運用者画面 管理者画面
多対多

A端利用者画面 B端利用者画面

管理者画面
任意 利用者画面 管理者画面
通信なし 利用者画面 管理者画面
 

注2) 2つのHTMLタグの組合せ:

<a href="https://www.domain/zone/servlet/MfMyMenu?ope=opewin">
<img src="https://www.domain/zone/servlet/MfCmPage/mymenu_m.gif">
 </a>

を埋め込む。

 

 

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