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3.8 マイ・ページ管理

 FNSの各グループが保有する利用者画面や共用画面はグループ毎に定義されるものです。グループの利用者はこれらの画面を使用して情報を共有することができます。しかし、各利用者が自前のWebページを持ち、このWebページに必要な情報を集め、自分に最も適したやり方で情報管理をしたいという要求があります。本節で述べるマイ・ページ管理はこのような要求に応えるものです。

 FNSのすべての利用者はブロックと呼ぶ一種のフォルダーを所有することができます。ブロックは次の目的で利用できます。

1)  Webページやファイルをブロックに登録し、自分専用のWebページとして使用する。
2)  FNSシステム既定の“マイ・メニュー”に代わる自前のマイ・メニューを作成する。
3)  自前のWebページを、自分が所属する任意のグループに公開する。

 マイ・ページ管理を利用することにより、各利用者はブロックの設定・削除、ブロックの公開・非公開、そしてブロックに対してWebページやファイルの登録・削除などを行うことができます。

 本節では、先ずブロックの種類と参照について述べます。次に公開ブロックの参照、これらのブロックを扱う“マイ・ページ管理”の操作方法、最後に自前のブロックへのコンテンツ登録について述べます。

(1) ブロックの種類と参照

  ブロックには、利用目的に合わせて次の3種類があります。

◇ デフォルト
◇ マイ・メニュー
◇ 利用者指定

 (a)“デフォルト”ブロック

 後述の“ブロック内Webページおよびファイルの参照”で用いるURLにおいてブロック名の指定を省略した場合に省略時解釈として使われるブロックです。このブロックの名前は“_DEFAULT”です。

 (b)“マイ・メニュー”ブロック

 “マイ・メニュー”ブロック(ブロック名は“_MYMENU”)内にWebページ:MyMenu.htmが存在する場合、FNSシステム既定の“マイ・メニュー”に代わる独自のマイ・メニューとしてこのブロック内のMyMenu.htmが使われます。つまり、FNSシステム既定の“マイ・メニュー”に代わる独自のマイ・メニューをつくることができます。

 (c)“利用者指定”ブロック

 上記(a)(b)に示す特定の利用方法以外で、自前のWebページやファイルを使用したい場合に固有の名前を付けたブロックを作ることができます。

注) “デフォルト”ブロックや“マイ・メニュー”ブロックを、この“利用者指定”ブロックと同じように利用しても何ら差し支えありません。“デフォルト”ブロックと“マイ・メニュー”ブロックは、上記(a)(b)に示す使い方以外では、(c)の“利用者指定”ブロックとの違いはありません。

 ブロックの開設・削除、ブロックの公開・非公開、そしてブロックに対してWebページやファイルの登録・削除については後述の「(3) “マイ・ページ管理”の操作方法」を参照してください。

 ブロック内Webページおよびファイルの参照

 上記ブロック内に保存されたWebページやファイルを参照するために、下記のURLを使用します。

https://www.domain/zone/servlet/MfMyPage[/<ファイルパス名>][?[block=<ブロック名>][&usrname=<利用者名>][&grpname=<入場先グループ名>]]

www.domainFNSシステムインストール先のドメインとwwwサーバ、zoneFNSシステムの配置ゾーン)

*上記(b)“マイ・メニュー”ブロック内にWebページ:MyMenu.htmがある場合、このWebページが自動的にFNSシステム既定の“マイ・メニュー”に置き換わりますので、注意が必要です。

 本URLは、

 [FNSシステムの<入場先グループ名>が示すグループ]の、
  → [<利用者名>が示す利用者]の、
   → [<ブロック名>が示すブロック]内の、
    → [<ファイルパス名>]

が示すWebページあるいはファイルを参照することを指定しています。

 本URLではファイルパス名、ブロック名、利用者名、あるいは入場先グループ名の指定を省略できますが、各名前を省略したときの省略時解釈は下表の通りです。

名前 省略時解釈
ファイルパス名  「index.htm」が指定されたものと解釈します。
ブロック名  「_DEFAULT」が指定されたものと解釈します。
利用者名  現在FNSにログインしている「利用者」が指定されたものと解釈します。
入場先グループ名  「現在入場中のグループ」が指定されたものと解釈します。

 WebブラウザのURLアドレスフィールドに指定して直接Webページを開くために、あるいは任意のWebページからリンクするために、上記のURLを使用することができます。

 例えば、WebブラウザのURLアドレスフィールドに、

https://www.domain/zone/servlet/MfMyPage

と指定して実行すると、図3−28に示すグループ・ログイン画面が開きます。

図3−28 グループ・ログイン画面

 グループ・ログイン画面の入場グループ名には利用者が所属するグループ名を、そしてユーザ名とパスワードを入力して送信ボタンを押下すると、あらかじめ_DEFAULTブロックに登録しておいたindex.htmファイルが表示されます。図3−29に示す“マイ・ページ”には、利用者である担当者三郎が普段必要としている情報を凝縮して表示しています。もし、当該利用者の_DEFAULTブロックにindex.htmファイルが登録されていなけばエラーとなります。

 

図3−29 マイ・ページ

 上記は、すべての省略時解釈を適用した例ですが、任意のブロック内の、任意のWebページやファイルを指定して、グループ・ログインすることもできます。

 自前のマイ・メニューを作成し、ホームページとして使用することもできます。この場合、ログイン時に指定するURLは

https://www.domain/zone/servlet/MfMyMenu

です。この方式を使用すると、マイ・メニューボタンでいつでも自前のホームページに戻ることができます。

 このようにして、利用者はFNSシステムにログインし、利用者自身のWebページを開くことができますが、利用者が所属するグループの利用者ページへ移動するには、利用者自身のWebページに、移動先グループを選択し、移動するドロップダウンメニューボタン」あるいは「マイ・メニューボタン」へのリンクを張っておく必要があります。その他のFNSシステム機能についても同様にリンクを張っておき利用することができます(「3.1 (3) FNSシステム機能へのリンク」参照)。

 MyMenu.htm作成上の注意

 FNS既定のマイ・メニューにはグループ移動、受信閲覧、送信履歴閲覧、パスワード変更など、大変重要な機能があります。FNSシステム既定のこれらの機能をMyMenu.htmから利用したい場合は、MyMenu.htmにもそれらのFNSシステム機能へのリンクを貼っておく必要があります(「3.1 (3) FNSシステム機能へのリンク」参照)。

(2) 公開ブロックのWebページorファイルの参照

 公開先グループのWebページから、公開ブロックのWebページやファイルを参照する方法は前記「ブロック内Webページおよびファイルの参照」に述べた参照方法と同じです。

 ※「参照のみ」を許可された利用者のブロックは当該グループには公開できません。

(3) “マイ・ページ管理”の操作方法

 これまで説明しましたブロックの開設・削除、ブロックの公開先グループの登録・削除、ブロックへのWebページやファイルの登録・削除については、図3−30に示すマイ・ページ管理ページを使用して行います。

 マイ・ページ管理ページの呼び出しはFNSシステム既定のマイ・メニューページから行うことができます。

 マイ・ページ管理ページの操作については、当該ページの説明に従って行ってください。

図3−30 マイ・ページ管理

(4) 自前のブロックへのコンテンツ登録

 自前のブロックにコンテンツ(ファイル)を登録する手段の一つは、FNSシステムの“マイ・ページ管理”(前記「“マイ・ページ管理”操作方法」参照)の利用です。これに加えて、自前のWebページ、マイメニューあるいは公開先グループのWebページからも、自前のブロックに文字列やローカルファイルなどのコンテンツを登録することができます。以下では、登録に必要なHTMLタグを説明します。

 (a) 文字列の登録

    (@) formタグ 必須

formタグはデータ入力の手段を提供します。formタグの形式は次の通りです。

<form name="f"
     aciton=https://www.domain/zone/servlet/MfMtMyPage" 
    
method="POST"
     enctype="application/x-www-form-urlencoded"
>  

       <input タグ>

<input タグ>

<input タグ>

 ・ ・ ・ 

</form>

 "f"はこのフォームの名前です。

 action属性にはこのフォームで入力したデータの送信先を指定します。この例では、domain(実際にはitnetinc.co.jpなどのドメイン)内にあるサーバwwwに接続し、ゾーンzoneにあるサーブレットMfMtMyPageを呼び出します。domainやサーバwww、ゾーンzoneの名前はFNSシステムのインストール先のものを使用する必要があります。enctype属性の指定は、文字列の登録の場合

     "application/x-www-form-urlencoded"

を指定します。

 formタグのその他の属性はこの例のとおり指定してください。  

 フォームで指定するinputタグについては次の(A)以降で説明します。ここで重要な意味をもつのはinputタグのname属性であり、それ以外の属性は適宜用途に応じて変更することができます。

    (A) ブロック名(mfblock) 任意

     <input type="hidden" name="mfblock" size="-1" value="ブロック名">

  “ブロック名”には、公開された“_DEFAULT”、“_MYMENU”、あるいは利用者指定ブロックのいずれか一つを指定します。

 本inputタグを省略した場合は_DEFAULT”ブロックが指定されたものと解釈されます。

   (B) ファイルパス名(mfpathname) 必須

      <input type="hidden" name="mfpathname" size"-1" value="ファイルパス名">

 ここでは、(C)で示すコンテンツ(文字列)を上記(A)で指定されたブロックに書出すべき“ファイルパス名”を指定します。指定のブロック内に同一のファイル名が存在していれば上書きを指示し、存在しなければ新規に“ファイルパス名”のファイルを作成します。

   (C) コンテンツ(mfcntnt) 必須

   <input type="text" name="mfcntnt" size="40">

 上記(B)のファイルに書出すべきコンテンツ(文字列)の入力フィールドを定義します。

   (D) 登録ボタン(mfsubmit) 必須

    <input type="submit" name="mfsubmit" value="登録"> 

 上記(C)で入力された文字列を(A)(B)で指定されたブロック内のファイルパスに登録します。

(b) ローカルファイルの登録

    (@) formタグ 必須

formタグはデータ入力の手段を提供します。formタグの形式は次の通りです。

<form name="f"
     aciton=https://www.domain/zone/servlet/MfMtMyPage" 
     method="POST"
     enctype="multipart/form-data"
>  

       <input タグ>

<input タグ>

<input タグ>

 ・ ・ ・

  </form>

 "f"はこのフォームの名前です。

 action属性にはこのフォームで入力したデータの送信先を指定します。この例では、domain(実際にはitnetinc.co.jpなどのドメイン)内にあるサーバwwwに接続し、ゾーンzoneにあるサーブレットMfMtMyPageを呼び出します。domainやサーバwww、ゾーンzoneの名前はFNSシステムのインストール先のものを使用する必要があります。enctype属性の指定は、ファイルの登録の場合、

     "multipart/form-data"

を指定します。

 formタグのその他の属性はこの例のとおり指定してください。  

 フォームで指定するinputタグについては次の(A)以降で説明します。 ここで重要な意味をもつのはinputタグのname属性であり、それ以外の属性は用途に応じて適宜変更することができます。 

    (A) ブロック名(mfblock) 任意

        <input type="hidden" name="mfblock" size="-1" value="ブロック名">

  “ブロック”には、公開された“_DEFAULT”、“_MYMENU”、あるいは利用者指定ブロックのいずれか一つを指定します。

 本inputタグを省略した場合は_DEFAULT”ブロックが指定されたものと解釈されます。

   (B) ファイルパス名(mfpathname) 必須

     <input type="hidden" name="mfpathname" size="-1" value="ファイルパス名">

 ここでは、(C)で示すコンテンツ(ローカルファイル)を上記(A)で指定されたブロックに書出すべき“ファイルパス名”を指定します。指定のブロック内に同一のファイルパス名が存在していれば上書きを指示し、存在しなければ新規に“ファイルパス名”のファイルを作成します。

   (C) コンテンツ(mfcntnt) 必須

      <input type="file" name="mfcntnt" size=30>

 上記(B)のファイルパスに書出すべきコンテンツ(ローカルファイル)の選択フィールドを定義します。

   (D) 登録ボタン(mfsubmit) 必須

     <input type="submit" name="mfsubmit" value="登録"> 

 上記(C)で選択されたファイルを(A)(B)で指定されたブロック内のファイルパスに登録します。

   (E) zipファイルの登録指定(mfmelt_when_zip) 任意

 上記(C)で定義された選択フィールドで、zipファイルを選択することができます。この場合、zipファイルをそのまま登録するか、あるいは解凍して登録するか指定することができます。

     <input type="CHECKBOX" name="mfmelt_when_zip" value="yes" CHECKED>

 上記を指定すれば、Webページ上にマークが表示されます。

 チェックをマークすれば、zipファイルは解凍して登録されます。チェックをノーマークにすれば(value="no"が指定されたものと解釈される)、zipファイルはそのまま登録されます。この指定は、zipファイル以外のローカルファイルには意味を持ちません。

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