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第2章 操作概要

 アプリケーションシステムを作成するためにグループを作成する必要がありますが、FNSは“作成者グループ”と呼ぶ既定のグループを保有しています。システム管理者は“作成者グループ”と作成者グループの“管理者”を初期登録します。その後、作成者グループの“管理者”が必要に応じてメンバを登録します。“作成者グループ”のメンバは“作成者”と呼ばれ、新しいグループを作成する権利を持っています。“管理者”は“作成者”に名前とパスワードを与えます。そして作成者にその名前とパスワードを通知しておきます。

 操作概要の説明は、グループの作成者の作業から始めます。そして、作成者により新しいグループが作成されるとき、そのグループの管理者、運用者、利用者等が決められます。

 グループメンバの役割は本章以降で詳しく述べますが、簡単に紹介しておくと次の通りです。

 

<グループメンバの役割>

管理者管理者はグループの情報資源(Web、電子フォーム等)やグループメンバの登録・削除を行う権利を有します。

運用者(A端利用者)このメンバは次に示す利用者(B端利用者)との間で電子フォーム集配信などの通信を行います。運用者(A端利用者)は利用者(B端利用者)との間で個別に、あるいは全員と通信できます。

利用者(B端利用者)このメンバは上記の運用者(A端利用者)との間で電子フォーム集配信などの通信を行います。利用者(B端利用者)は運用者(A端利用者)との間で個別に、あるいは全員と通信できます。

A端利用者およびB端利用者については後述します

 本書は作成者の説明に続き、管理者、運用者(A端利用者)、利用者(B端利用者)の役割を紹介し、FNSシステムの機能について解説します。

 

2.1 作成者

 作成者はFNSの既定グループである“作成者グループ”のメンバです。作成者は新しいグループを定義することができます。

 WebブラウザURLアドレスフィールドに、

    https://www.domain/zone/servlet/MfUsPage

www.domainFNSシステムインストール先のドメインとwwwサーバ、zoneFNSシステムの配置ゾーン)

を入力して実行すると、図2.1−1に示すWebページ:FNSのグループ・ログイン画面が開きます。以後、用語“ログイン”は入場するという意味合いで使用します。

図2.1−1 グループ・ログイン画面

 すべてのグループのメンバはこのWebページを利用してFNSのグループにログインします。作成者も例外ではありません。画面上の三つの欄:入場グループ名、ユーザ名、パスワードにそれぞれ、作成者グループの名前、システム管理者から通知された作成者の名前とパスワードを入力して送信ボタンを押下して“作成者グループ”にログインします。

 ログインしたメンバが作成者グループのメンバであることがFNSシステムにより確認されたら、図2.1−2に示す作成者ページが開きます。他のグループへのログインの場合も同様に、入場したグループ固有のWebページが開きます。

図2.1−2 作成者ページ

作成者ページではグループの作成、設定の変更、削除、そしてFNSアプリケーションの登録ができます。このWebページには「グループの作成」、「グループ設定の変更等」、「グループの削除」、および「FNSアプリインストーラ」が表示されていますのでそのいずれかを選択します。

(1)「グループの作成」を選択した場合

「グループの作成」を選択すると表示されるWebページはグループ種別の選択ページ(図2.1−3参照)です。

 グループ種別とはグループ内の利用者間でのデータ転送の形態を示すもので、グループは必ず1つのグループ種別に割り当てる必要があります。

現在使用できるグループ種別は“1対多”、“多対多”、“任意”、“通信なし”の4種です。それぞれの特性について以下に紹介します。

(イ)1対多

この種別のグループは1人の運用者(兼管理者)と複数の利用者からなります。

運用者は利用者との間で電子フォームの配信などの通信を行います。運用者は複数の利用者との間で個別に、あるいは全員と通信できます。利用者相互の通信はできません。

 

運用者は管理者を兼ねますので、グループの利用者および資源を管理できます。

 管理者が行う資源の管理とは、利用者の登録・削除や、利用者に開示するWebページの登録・削除、電子フォームの登録・削除などを行うことです。管理者が兼ねる運用者は電子フォームの運用を行います。このことについては後の電子フォームの説明で詳しく述べますが、例えば利用者全員に電子フォームを配布し、メッセージを配信し、かつ利用者からの返信を収集することができます。利用者全員を対象にするだけでなく、特定の利用者だけを対象にすることもできます。グループ種別:1対多という用語はこのようなデータ交換規則を特徴とするグループという意味を表しています。

 

(ロ)多対多

この種別のグループは1人の管理者と複数のA端利用者と複数のB端利用者からなります。

データ転送のまとめ役となる利用者をA端利用者と呼び、その他の利用者をB端利用者と呼びます。各A端利用者はB端利用者との間で個別に、あるいは全員と通信できます。A端利用者相互およびB端利用者相互の通信はできません。

管理者はグループにおける利用者の登録・削除ができます。また、グループのWebページおよび電子フォームの登録・削除などができます。

(ハ)任意

この種別のグループは1人の管理者と複数の利用者からなります。

各利用者はその他の利用者と個別に、あるいは全員と通信できます。

管理者はグループにおける利用者の登録・削除ができます。また、グループのWebページおよび電子フォームの登録・削除などができます。

(ニ)通信なし

この種別のグループは1人の管理者と複数の利用者からなります。

このグループでは通信を行いません。この種別は利用者の定義だけを目的としたグループの作成に利用できます。

管理者はグループにおける利用者の登録・削除ができます。また、グループのWebページおよび電子フォームの登録・削除などができます。

図2.1−3 グループ種別選択ページ

 

 グループ種別選択ページには、グループ種別を表示するドロップダウンメニューがあります。このメニューで必要なグループ種別を選択し、OKボタンを押下すると、各種別に対応するグループ作成のWebページ(図2.1−4、2.1−5、2.1−6、2.1−7)が表示されます。

 各Webページ内に利用法が述べられていますので、それに従って操作すれば良いのですが、いくつかの重要な機能:スコープルールと利用者の参照について解説します。

■ 先ず、スコープルール(名前の有効範囲の規則)について解説しておく必要があります。グループの名前は1つのFNSシステム配下で一意でなければなりません。異なる作成者が同一のグループ名を定義しようとすると重複している旨のメッセージが表示されますので、それまでに使われていない名前を割当てる必要があります。

利用者の名前についてはどうでしょうか。これはグループの中で一意である必要があります。異なるグループでは同一の利用者名を用いることができます。

1つのFNSシステム配下で特定の利用者を識別するために修飾辞付き名:

利用者の名前%グループの名前 (%は半角文字)

を用います。

■ もう1つの重要な機能である既存グループからの利用者の参照について解説しておきます。FNSシステムでは1人の利用者が複数のグループに所属できるということは前記複合グループ管理方式の説明で述べましたが、同じ利用者であることを指示するため、FNSシステムでは同一の利用者は既存のグループから参照することにしています。新しいグループの利用者を既存のグループから参照するかここではじめて実体を定義するかを選択できるようにしています。既存のグループの利用者名を参照する場合には次の修飾辞付き名:

既存グループの利用者名%既存グループの名前 (%は半角文字)

を用います。この場合新しいグループでの利用者名の指定は任意です。指定を省略した場合、このグループのその利用者を特定するためには上記の修飾辞付き名を用いる必要があります。

 既存グループの利用者を参照するか否かは、指示あるいは実体を選択するラジオボタンにマークすることで決めます。

 参照するグループや利用者が多数になる場合には操作が煩わしくなるため、グループを指示して一括して参照するためのドロップダウンメニューを用意しています。指示先グループを選択して、参照実行ボタンを押下すれば既存グループの利用者が参照できます。このドロップダウンメニューで参照できるグループは同一の作成者が作成したグループです。既存のグループの利用者を1人ずつ参照する場合には、異なる作成者が作成したグループの利用者でも参照することができます。

 これまで述べた方法でグループを定義しますが、グループには管理者、運用者(A端利用者)、利用者(B端利用者)が存在します。そして、グループのすべてのメンバは名前とパスワードを持ちます。グループ名と利用者名とパスワードはあらかじめインターネット上の利用者に通知されていなければなりません。通知する必要があるのは、利用者が、最初に、あるグループに登録された場合だけであって、その後他のグループに登録される場合は必ずしも通知の必要はありません。その理由は後述の「マイ・メニュー」と呼ばれるページの説明で明らかにしますが、マイ・メニューのページにはその利用者が所属するグループが自動的に表示されるからです。

 メンバがグループの管理者かその他の利用者かによってグループにログイン(入場)する際に使用するURLが異なります。

管理者    :https://www.domain/zone/servlet/MfKnPage

その他の利用者:https://www.domain/zone/servlet/MfUsPage

www.domainFNSシステムインストール先のドメインとwwwサーバ、zoneFNSシステムの配置ゾーン)

 管理者とその他の利用者はこれらのURLを使用してグループにログインしますが、管理者なら管理者ページ(後述)が開かれます。その他の利用者ならその利用者が運用者あるいはA端利用者か、B端利用者か、単なる利用者かに応じてそれぞれに対応する利用者ページ(後述)が開かれます。

 上記で管理者が運用者や利用者を兼ねている場合、URLとして、

https://www.domain/zone/servlet/MfUsPage

を使用してその他の利用者としてログインし、マイ・メニューのページを経由して管理者ページに移動することもできます。

 FNSシステムでは管理者ページや利用者ページに対してそれぞれ既定のWebページを用意していますが、それらはグループの管理者によって置き換えることができます。むしろ、グループ固有のWebページに置き換えるのが通常の利用法であると想定しています。

 

図2.1−4 グループ作成(1対多)

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