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3.3 FNS拡張機能(FNS Extension

 FNSシステムを業務アプリケーションと連携させることができます。

 業務アプリケーションとの連携には2つのタイプあります。

1) タイプ1:FNSシステムから業務アプリケーションの呼出し

2) タイプ2:業務アプリケーションからFNSシステムの呼出し

   図3.3−1はタイプ1の例です。利用者はFNSシステムのグループのWebページを介して、在庫管理プログラムを呼出しています。

図3.3−1 インターネット経由の在庫確認

 タイプ1は発注業務や問合せ業務など幅広い用途で利用することができます。

 また、図3.3−2はタイプ2の例です。データ収集プログラムが運用者名とパスワードを使用してFNSシステムにログインし、運用者の受信キューのデータを自動収集するものです。

図3.3−2 インターネット経由のデータ収集

 図3.3−2の例ではデータ収集プログラムが運用者名を使用してFNSシステムにログインしていますが、管理者名や利用者名とそのパスワードを使用すれば、管理者や利用者の受信キューのデータを読み出すこともできます。

 上記のようなFNSシステムとプログラムとの連携をFNS拡張(FNS Extension)と呼びます。また、FNSシステムと連携する機能を拡張機能(Extended Functions)と呼びます。

 以下に、拡張機能の実装と、FNSシステムと拡張機能との間の呼出し方法について説明します。

3.3.1 FNS システムから業務アプリケーションの呼出し

(1)拡張機能の実装

 拡張機能はCGIJavaサーブレットを用いて実装しますが、以下の説明では、Javaサーブレットとして実装することを想定しています。このJavaサーブレットがFNSシステムのJavaサーブレットとの連携を遂行しなければなりません。

 拡張機能はFNSシステムと同一マシン上に実装することも、別マシン上に実装することもできます。

(a)同一マシン上に実装する場合

 拡張機能をFNSシステムと同一マシン上に実装する場合、FNSシステムのJavaサーブレットのURLと競合しないURLを用いる必要があります。FNSシステムのJavaサーブレットのURLは次の形式をしています。

https://www.domain/zone/servlet/MfUsPage

www.domainFNSシステムインストール先のドメインとwwwサーバ、

zoneFNSシステムのJavaサーブレットの配置ゾーン)

 例えば、FNSシステムのJavaサーブレットのURLが、

 https://www2.itnetinc.co.jp/mltfns/servlet/MfUsPage

の場合、Javaサーブレットはドメイン(itnetinc.co.jp)のWebサーバ(www2)のゾーン(mltfns)に配置されていることを示しています。

  https://www.domain/zone/servlet/xxxxx

www.domainFNSシステムインストール先のドメイン名とwwwサーバ名、

zoneはゾーン名、xxxxxはサーブレット名)

(b)別マシン上に実装する場合

 この場合、拡張機能側にWebサーバとJavaサーブレットエンジンが必要となります。URLはどのように定義しても良いのですが、Javaサーブレットの移行性を考慮すると、上記(a)の説明に準拠しておくのが無難といえます。 CGIの場合は不要

 https://www.domain/zone/servlet/xxxxx

www.domainは拡張機能側のドメイン名とwwwサーバ名、zoneはゾーン名、xxxxxはサーブレット名)

このWebサーバの認証局への登録も必要となります。FNSシステムと拡張機能の間の通信はSSLSecure Sockets Layer)プロトコルで行います。

  上記の(a)あるいは(b)の方法で実装された拡張機能のJavaサーブレットをFNSシステムから呼出すために、拡張機能の関連情報をFNSシステムに登録しておきます。登録方法については(3)拡張機能の登録で説明します。

(2)FNSシステムから拡張機能の呼出し方法

 FNSシステムは利用者からの依頼により拡張機能を呼出します。このときFNSシステムは利用者と拡張機能との間の中継者として働きます。拡張機能の直接のクライアントはFNSシステムとなります。拡張機能がFNSシステムから呼出された場合、FNSシステムの利用者認証が済んでいると見なされます。拡張機能がFNSシステム以外から呼出された場合については、FNSシステムは責任をもちません。その責任は拡張機能側にあります。FNSシステムは拡張機能を呼出す際、利用者から通知されたパラメータに加えて“中継者ID”、“中継者パスワード”および利用者情報(入場グループ名、利用者名等)を通知しますので、拡張機能側ではこれらを用いて呼出し元を確認することができます。拡張機能からの返却値はそのまま利用者に返却されます。従って、返却値をWebページの形にしておけば、利用者は拡張機能の結果を直接Webブラウザで参照することができます。

 このような拡張機能の呼出しを可能とするために、拡張機能の関連情報をFNSシステムデータベースに登録しておきます。拡張機能にはシステム内の全グループを対象とするもの(システム拡張機能)と、特定のグループを対象とするもの(グループ拡張機能)があります。システム拡張機能の登録はシステム管理者の役割です。グループ拡張機能の登録はそのグループの管理者の役割です。登録する関連情報としては、拡張機能ID(拡張機能を識別する名前)、拡張機能の所在場所(URL)、利用者名(入場中グループ)、実体グループ名、実体利用者名、中継者ID、中継者パスワードなどがあります。FNSシステム管理者やグループの管理者は登録する拡張機能の信頼性を厳正にチェックする必要があります。システム管理者の作業については「FNSシステム管理の手引き」を参照してください。

 拡張機能を呼出すためのJavaサーブレットはトンネルサーブレットと呼ばれ、次ぎのサーブレットを用意しています。

(@) システム拡張機能呼出しサーブレット:MfSysExpMfSysExp2

(A) グループ拡張機能呼出しサーブレット:MfExpTunnelMfExpTunnel2

 サーブレットMfSysExpおよびMfExpTunnelには次ぎの2つのFNSパラメータを指定します。

(イ) mfexpid :拡張機能ID

(ロ) mfgrpname :入場先グループ名(任意)

※省略された場合にはデフォルトとして利用者が呼出し時に入場しているグループ名が使われます。

 サーブレットMfSysExpMfExpTunnelでは以下のパラメータのすべてあるいは一部を補填します。これらのパラメータを補填するか否かはシステム管理者あるいはグループの管理者が拡張機能に関する情報をFNSシステムデータベースに登録する際に選択することができます((3)拡張機能の登録 参照)

(ハ) mfapcgrp :入場中グループ名

(ニ) mfapcusr :(入場中グループの)利用者名

(ホ) mfapcusrattr :利用者属性

(ヘ) mfapcagrp :実体グループ名 *  MfSysExpの場合に補填される

(ト) mfapcausr :実体利用者名   MfSysExpの場合に補填される

(チ) mfexpid :拡張機能ID

(リ) mfapbid :中継者ID

(ヌ) mfapbpswd :中継者パスワード

(ル) mfapx : 任意パラメータ

 

 サーブレットMfSysExpMfExpTunnelにはさらに拡張機能固有の利用者パラメータを指定できます。その場合文字列“mf”で始まるパラメータはFNSシステムのパラメータとして予約されていますので利用者用パラメータとしては使用できません。

呼出しURLの例:

https://www.domain/zone/servlet/MfExpTunnel/xy/z?mfexpid=abc&param=menu

 ここに、www.domainFNSシステムのドメイン名とwwwサーバ名、zoneFNSシステムのゾーン名、MfExpTunnelは拡張機能呼出しのトンネルサーブレットの名前、“mfexpid=abc”は拡張機能の名前abc(拡張機能ID)を渡すFNSパラメータ、“param=menu”は利用者パラメータです。

 拡張機能abcには利用者パラメータ“param=menu”とFNSシステムの補填パラメータが渡されます。また/xy/zはFNSシステムに登録された拡張機能のURLに付加されて呼出されます。

 拡張機能IDを「mfexpid」パラメータの代わりにパス情報の第1ノードとして指定するトンネルサーブレットMfSysExp2MfExpTunnel2もあります。

呼出しURLの例(MfExpTunnel2):

https://www.domain/zone/servlet/MfExpTunnel2/abc/xy/z?param=menu

 この方式ではabcが拡張機能IDとして使用されます。また、/xy/zFNSシステムに登録された拡張機能のURLに付加されて呼出されます。その他のパラメータは前記MfSysExpMfExpTunnelの場合と同じです。

 3.2(2)のHTMLフォームを拡張機能の入力フォームとして使用することもできます。その場合、formタグaction属性ではサーブレットMfTransferの代わりにMfSysExpあるいはMfExpTunnelを使用します。この場合、FNSパラメータmfexpidmfgrpname、それに利用者パラメータはinputタグで指定します。

注)FNSバージョンv1の拡張機能はマルチパートには対応していませんので、<input type="FILE">タグを使用した拡張機能呼出しはできません。

 トンネルサーブレットはGETメソッドでリクエストされた場合は拡張機能呼出しもGETメソッドによるリクエストとなります。POSTメソッドでリクエストされた場合は拡張機能呼出しもPOSTメソッドによるリクエストとなります。

(3)拡張機能の登録

 拡張機能の呼出しを可能とするためには、拡張機能の関連情報をFNSシステムデータベースに登録しておく必要があります。本書ではグループ拡張機能の関連情報の登録について説明します。システム拡張機能については「FNSシステム管理の手引き」を参照してください。

 管理者はFNSシステム標準の管理者ページを用いない場合、自グループで拡張機能の呼出しを可能とするために、管理者ページに拡張機能の登録・変更・削除等を行う拡張機能登録メニューのページURL

https://www.domain/zone/servlet/MfMtExp?ope=ope_menu

(ここに、www.domainFNSシステムインストール先のドメインとwwwサーバ、zoneFNSシステムの配置ゾーン)

へのリンクを貼りつけます。FNSシステム標準の管理者ページを用いる場合、既にこのリンクは貼られています。

 管理者は上記URLへのリンクを貼りつけた管理者ページを該当グループにアップロードします。その後、管理者は管理者ページを経由して図3.3−3に示す拡張機能登録メニューのページを開きます。

図3.3−3 拡張機能登録メニュー

 拡張機能登録メニューのページを利用して、拡張機能の登録・変更・削除等を行うことができます。

(a) 拡張機能一覧を選択した場合

現在グループに登録されている拡張機能の一覧が表示されます(図3.3−4 参照)。図3.3−4の詳細については拡張機能追加のページ(図3.3−5)を参照してください。

図3.3−4 拡張機能一覧

 

(b) 拡張機能登録メニューページの拡張機能追加を選択した場合

 図3.3−5に示す拡張機能追加ページが開きます。

図3.3−5 拡張機能追加

 

 拡張機能追加ページ(図3.3−5)の各項目について以下に説明します。

(イ) 拡張機能ID

 グループ内の拡張機能を識別するための識別子を指定します。

 拡張機能IDは長さ40バイトまでの半角の英数字文字列(先頭以外なら半角の下線が許される)で構成します。拡張機能IDはグループ内で一意であれば良く、異なるグループで同一の拡張機能IDを用いることができます。

(ロ) ホスト

 拡張機能が置かれるwww.domain(拡張機能のドメイン名とwwwサーバ名)

(ハ) ポート

 通常は80あるいは433SSL)です。

(ニ) URIUniform Resource Information

 URLを構成するゾーン部以下の部分/zone/servlet/xxxxxです。先頭は必ず“/”で始めます。

 例えば、

 「https://www.domain/exap/servlet/ap001?param=value

なら「/exap/servlet/ap001」」を指定します。

(ホ) SSLSecure Sockets Layer

 SSLを使用するか否かを指定します。

 ※SSLについての注意事項:

 拡張機能が置かれているwwwサーバの証明書を「信頼している証明書」に含める必要があります。この作業はFNSシステムの管理者が証明書メンテナンスプログラムを使用して行う必要があります。証明書メンテナンスプログラムはFNSインストール後のフォルダー内のサブフォルダーCertMntにあります。

(ヘ) Get操作

 Get操作でトンネルサーブレットを呼出し、“中継する”を選択していればトンネルサーブレットは実行されます。“禁止”を選択していればトンネルサーブレットは実行されません。

(ト) Post操作

 Post操作でトンネルサーブレットを呼出し、“中継する”を選択していればトンネルサーブレットは実行されます。“禁止”を選択していればトンネルサーブレットは実行されません。

(チ) グループ名補填

 入場中のグループ名を補填するか否かを指定します。必要がなければ“不要”を、必要なら“補填する”を選択します。この場合、標準のパラメータ名(mfapcgrp)か、固有のパラメータ名が選択できます。

(リ) 利用者名補填

 現在呼出している利用者の名前を補填するか否かを指定します。必要がなければ“不要”を、必要なら“補填する”を選択します。この場合、標準のパラメータ名(mfapcusr)か、固有のパラメータ名が選択できます。

(ヌ) 利用者属性補填

 現在呼出している利用者の属性を補填するか否かを指定します。必要がなければ“不要”を、必要なら“補填する”を選択します。この場合、標準のパラメータ名(mfapcusrattr)か、固有のパラメータ名が選択できます。パラメータの値としては次ぎのような4文字の半角英字列が渡されます。。

2 3 4
X X X X

 1番目の文字:利用者種別を表わします。

P : 利用者

A : A端利用者

B : B端利用者

N : 管理者あるいは作成者

 2番目の文字:参照種別を表わします。

R : 閲覧のみの利用者

N : 通常の利用者

 3番目の文字:管理権を表わします。

Y : 管理権有り

N : 管理権無し

 4番目の文字:参照モードの種別を表わします。

Y : 参照モード状態である

※利用者兼管理者の場合、1番目の文字:利用者種別は参照している利用者種別を示します。

N : 参照モード状態ではない

※利用者兼管理者の場合、1番目の文字:利用者種別は利用者としての種別を示します。

 例えば、グループ種別が“一対多”のグループの運用者(管理権有り、A端利用者)が参照モードでB端利用者となっている場合、パラメータの値は“BNYY”となります。また“一対多”のグループのA端利用者やB端利用者として登録されていない作成者(管理権有り)が参照モードでB端利用者となっている場合もパラメータの値は“BNYY”となります。

(ル) 拡張機能ID補填

 現在の呼出しの拡張機能IDを補填するか否かを指定します。必要がなければ“不要”を、必要なら“補填する”を選択します。この場合、標準のパラメータ名(mfexpid)か、固有のパラメータ名が選択できます。

(オ) 中継者ID補填

 中継者IDを補填するか否かを指定します。必要がなければ“不要”を、必要なら“補填する”を選択します。この場合、標準のパラメータ名(mfapbid)か、固有のパラメータ名が選択できます。補填する場合、デフォルト値を使用するかこのページで中継者ID指定するかを選択します。デフォルト値については機能拡張登録メニューを参照してください。中継者IDには長さ30バイトまでの半角の英数字文字列(先頭以外なら半角の下線が許される)が指定できます。

(ワ) 中継者パスワード補填

 中継者パスワードを補填するか否かを指定します。必要がなければ“不要”を、必要なら“補填する”を選択します。この場合、標準のパラメータ名(mfapbpswd)か、固有のパラメータ名が選択できます。補填する場合、デフォルト値を使用するかこのページで中継者パスワードを指定するかを選択します。デフォルト値については拡張機能登録メニューを参照してください。中継者パスワードには長さ30バイトまでの任意の文字列が使用できます。

(カ) 任意パラメータ補填

 任意のパラメータを補填するか否かを指定します。必要がなければ“不要”を、必要なら“補填する”を選択します。この場合、標準のパラメータ名(mfapx)か、固有のパラメータ名が選択できます。値としては長さ80バイトまでの任意文字列が使用できます。

(ヨ) 追加機能

 拡張機能で接続するホストWebサーバが基本認証方式を採用している場合、そのホストWebサーバにログインする必要があります。ホストWebサーバが要求するuser-idpasswordを入力フィールドに

#BAUTH:user-id:password;

という形式で指定します。

(タ) メモ

 メモとして長さ150バイトまでの任意文字列が指定できます。

注)パラメータ名には長さ20バイトまでの半角の英数字文字列(先頭以外なら半角の下線が許される)が指定できます。

 

(c) 拡張機能変更を選択した場合

 図3.3−6に示す拡張機能変更(対象指定)のページが開きます。

 このページ上で、変更対象の拡張機能IDを指定し、OKボタンを押下すると拡張機能追加ページと同様の拡張機能変更のページが開きます。このページで該当拡張機能の関連情報を更新することができます。

図3.3−6 拡張機能変更(対象指定)

(d) 拡張機能削除を選択した場合

 図3.3−7に示す拡張機能削除のページが開きます。

 このページに表示されている拡張機能から削除したい拡張機能を選択して削除実行ボタンを押下すれば該当拡張機能が削除されます。

 

図3.3−7 拡張機能削除

(e) デフォルトの表示を選択した場合

 図3.3−8に示すデフォルトの表示のページが開きます。拡張機能の呼出し時に使用する中継者IDと中継者パスワードのデフォルト値を表示します。 

図3.3−8 デフォルトの表示

(f) デフォルトの変更を選択した場合

 図3.3−9に示すデフォルトの変更のページを開きます。中継者IDと中継者パスワードは拡張機能毎に設定できますが(図3.3−5 拡張機能追加のページ 参照)、グループ毎に設定し、その値をデフォルトとして使用することができます。このページでは、そのデフォルト値を設定変更することができます。

図3.3−9 デフォルトの変更

 

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