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様変わりするIT利用
 

 あけましておめでとうございます。

 昨年の年頭の挨拶で「・・・ソフトウェアシステムの開発に関わる技術者が従来のような劣悪な条件下に置かれていることは日本社会の発展を阻害することになり、・・・」と述べ、地方都市の一部でこのような状況改善の方策を模索すると書きました。しかし、この問題は日本の雇用慣行に根差していることに気づきました。終身雇用を前提とした雇用慣行に縛られた、硬直化した労働市場の下では必然的に多重下請け構造が生じるのです。この問題の解決には日本の人々の意識改革が必要となります。

 社会と産業構造はハイスピードで変化しています。この変化に対応できない労働市場は日本を衰退させます。時々刻々変化する社会と産業構造に対応して人も変化しなければなりません。自らの能力を磨き、成長する産業に仕事を移して行かなければどうして生き延びることができましょうか。明治以来の日本人はみんな変わることに努力してきました。そうした努力がつい最近までの日本の成長を支えてきました。

 今年の検討テーマの一つとして多重下請構造と労働市場との関係について取り上げたいと考えています。

 また、昨年はIT利用が多岐が亘ってきました。2010年はクラウドコンピューティングとスマートフォン、タブレット端末などが変化の兆しとなったと感じております。今年はこれらの変化がますます大きくなり、IT利用の効果が上がって来る年になると思います。

 自らの立ち位置を知るために国内だけでなく、世界を見なければなりません。ITに関して言うならば、日本はITの力を活かす“IT利用”に力を注ぐ必要があります。これまでの日本のITへの取り組みは米国に比べてIT利用がまだまだ足りません。IT利用を加速させることが日本がやるべき大きなテーマです。IT利用により産業の生産性を向上させることができます。

 今年は、日本の産業の成長性にITが如何に重要かについても考えて行きます。