中堅IT企業に対して「営業部門をどう活性化」するかについて、企画提案したものを整理したものです。
3つの活動(調達・加工・提供) |
上記の体系図のうち、「提供」する機能が営業活動です。 この営業活動のスループットを最大化するためには 1 営業行動指針の明確化 1)事業領域と営業戦略の方向 2)顧客対応 (企業の収益のほとんどを新規顧客ではなく、既存顧客から得ている) 2 現行営業活動の把握 1)営業部門の棚卸 2)生産性改善強化視点 3 顧客分類基準 1)基準1:売上高(ダラー) 2)基準2:件数(ユニット) 3)基準3:顧客別利益 4 競合他社 1)顧客視点での比較 5 営業能力UP について検討することが必要です。 |
1 営業行動指針の明確化
1)事業領域と営業戦略の方向
現状事業領域ごとの営業活動方針は会社方針、経営計画そしてそれに基づく「数値計画(売上や経費等)」から構築されるものです。
それから出来たきたものが「行動指針」となります。
いままでの営業活動全体を再検討し(現状把握)、行動を阻害する問題を明確にし、設定された行動を推進するために解決すべきテーマを明確
にします。
その関連図は以下の通りです。
2)顧客対応
企業の収益のほとんどを新規顧客(マーケット)ではなく、既存顧客から得ています。
したがって、既存の顧客に対してどう継続的に対応していくかが重要になります。
そのためには「顧客を良く知る」ことです。知るための視点は顧客をどの「基準(クライテリア)」で分けるかであります。
2 現行営業活動の把握
1)営業部門の棚卸し
〔棚卸し項目例〕
2)生産性改善強化視点
営業部門の役割は「売上高」を確保するとともに「利益」をどう高めるかであります。
営業部門を活性化する視点として、下図に例を整理しました。
一番大切なことは、既存顧客(マーケット)を理解することです。そして何らかの基準で顧客を分類し、行動基準を明確にすること(生産性UP)です。
また、競合に対してどう差別化するかは「スピード」「モノ」「サービス」でどう対処できるかであります。
そんな視点で整理してみました。
[生産性改善・強化項目例]
3 顧客分類基準(Criteria)
顧客(マーケット)を何らかの基準で分類する必要があります。
ここではその考え方として
1)金額(ダラー)で区分する考え(20:80の法則)
2)数量(ユニット)で区分する考え
3)顧客別利益(CLP)で区分する考え
の例を示します。
1)基準1:売上高(ダラー)
既存顧客のうち、売上累計が80%を占める顧客が自社に貢献してくれる顧客です(通常は20%の顧客で売上の80%を占めると言われています)。
また、その逆も存在します。
どちらにしても、顧客層を把握し、その顧客にどう個別対応するかを決めて行動しないと効率的ではありません。
2)基準2:件数(ユニット)
既存顧客の自社の製品やサービスを納入した数量(この場合は単価等であまり差異がない場合)で、顧客を4つに分類する例です。
A、B、C、Dの4つのグループの分け、各グループごとに対応の仕方を変えて行動する考えです。
3)基準3:顧客別利益
既存顧客との今までおよび今後の取引について受注高(売上高)だけではなく、利益高で評価する考えです。
その計算式は下表の通りです。
CLPという指標で捉えると「aという顧客」は一番貢献しそうな感じですが、利益という視点から見るとそうでもないことが推測できます。
同じように「fという顧客」は利益面では赤字になる可能性があります。それを避けるためには効率良く対応する活動が必要となります。
(行動指針の明確化が必要になります)
4 競合他社
1)顧客視点での比較
自社と競合する他社の製品やサービス、技術等可能なかぎりベンチマーキングする必要があります。
そして、顧客がもっとも必要としていることは何かを把握しなければなりません。
顧客の要求するレベルに対して、競合と、どのレベルでどう差別化できるかを顧客に訴求していくことが重要です。
そのイメージを示してあります。
5 営業能力UP
営業能力は「ヤル気」×「知識」×「行動」です。
いかに自社の営業能力を高められるか、そのために施策設定と継続的制度として導入することが必要です。
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